バレーボールの技術の中に『オーバーハンドパス』 というものがあります。
 私達のように数十年もバレーボールに関っていると、このパスの形を見ただけで、その選手がどれくらいのレベルなのか、一瞬で分かります。
オーバーパス
 未経験者、小学校の頃少しかじった、中学校までやっていた、高校・大学まで本格的にやっていた‥‥
 おおよそ一瞬で見分けることが出来ます。
 また、その選手が将来どんな選手に育っていくのかも、何となくイメージすることができます。
 バレーボール教本などのマニュアル本は、写真付きで世の中にはたくさんあって、選手達にその本を見てもらい、その通りにやってもらっても、それでも一人ひとり形が異なってきます。
  
 このように、自分が好き(want to) な事を長い期間続けていると、その分野に関っている人だけが何となく理解できる、感覚みたいなものがありますよね。
 ちゃんとマニュアル本に書かれていて、本人はその通りにやっているつもりだけど、長年続けてきたあなたから見ると、何となく「ちょっと違うな~」 みたいな感じのものです。
 マニュアルには書いてない(書けない)けど、これは常識だよねというもの‥‥ありませんか?
 これがまさしく"場を共有"して経験してきたあなた達だけにしか分からない「」です。
 武道にも形があるように、他のスポーツにも、ビジネスにも、教育にも、子育てにも様々な分野には、それぞれの「形」があるのです。
 この「形」を無視して、マニュアル本だけ読んで我流で実践しても、先が伸びないし、先人から見ると「ちょっと違うな~」 になってしまう。
 一方、この「形」が身に付いてしまうと、その後の応用ができるようになり、今度は「自分流の形」 を作ることができるようになり、他の人から個性的に見られ、場合によっては憧れるようになってきます。
 冒頭例の『オーバーハンドパス』
 「形」 がしっかり出来てしまうと、自分の思う場所に数センチも狂わずパスを出すことができるようになります。
 また、ほとんど力を使わずに数十メートル先の遠くまでボールを飛ばすことが出来るようになります。
 マニュアル本だけ読んで我流で実践してきた人には絶対に出来ません。
 チームと"場を共有"して多くの指導を受け、経験を積重ねてきた人だけが取得できる技術です。

 つまり何が言いたいのか‥‥
 本を読んだ、セミナーに行ったというだけでは絶対に正しい「形」はできません。
 見かけ上「形」ができているように見えても、いつか化けの皮が剥がれてしまいます。
 本を読んだ、セミナーに行ったあとは、今度は自分で歩き始めましょう。
 そして、経験者達と"場を共有"して自分の経験を積重ねていきましょう。
 そして自分の正しい「形」を作りましょう。
 その後は、「自分流の形」を磨き上げる為に、さらなる経験を積み重ね、時には後輩に「形」を伝えていこうではありませんか。
 
 今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。