「言葉のあや」を国語辞典で調べてみると、“微妙な意味あいを表したり、事のついでに付け加えたりする、巧みな言葉の言い回し”と説明されています。正しくは、「言葉の綾」と書くそうです。
 なんとなく分かりづらい説明ですが、この意味は昔の意味で、現代では、少し違った意味で使われています。
 簡単に言うと、物事をおおげさに言ってしまった時に、相手に「それはこうなんじゃないか」とあげ足を取られた時に、訂正も兼ねて「それは言葉のあやだよ」と使うように、「ごまかして訂正する言葉」といったところでしょうか。
 また、”あや” の意味としては
 1
物の表面に現れたさまざまな形や模様。特に、線が斜めに交わった模様。
 2
特に苦心した、文中の言い回し。含みのある表現や微妙なニュアンス。「言葉の―」
 3
表面的には見えないが、たどると見えてくる社会や世の中の入り組んだ仕組み。裏表。「人生の―」
 4
(綾)いろいろな模様を織り出した絹織物。あやおり。あやおりもの。
綾綾機織
 さて、こんな経験はありませんか?

 ビジネスでも友達でも、相手に対して何気に発した言葉が、相手を傷つけてしまった。

 その後、「あれは言葉の綾だから許して。」 と言っても後の祭り。

 長い年月日を掛けて築き上げてきた信頼関係も、つい何気に発した言葉で一気に崩れてしまう。

 それを取り戻すには、さらに長い年月を要したり、最悪は修復不可能になってしまう。

 非常に怖いことですね。

 でも、その時あなたが発した言葉の裏側には、実は、あなたの本音が隠されていたのです。

 人間の”脳” が働く無意識は正直です。

 人は ”あや” の言葉の意味が持つように、実に多くの人との関係の絡み合いを持って生きています。

 その中で、どんなに相手との関係を繕っていても、自分でも思いもよらない時に無意識が考えている”本音”は出てしまうものです。

 つまり、「have to(しなければならない)」 と思っている関係だと、つい言ってはいけない事だと分かっていても、ある日突然ポロッと出てしまう。

 だからコーチングでは「want to(したい)」 しかするな!なのです。

 相手との関係も、初めからいつでも本音を交わせる「want to」の 間柄であれば、関係が崩れる事は無いし、相手もあなたをそうゆう人だと思って言葉を受け入れてくれるはず。

 これは、言葉だけではありません。あなたの ”生き方(人生)” も同様です。

 しかし、今更急に言われても‥‥と思ったあなた。

 そこで、起こってしまったその問題に対する解決策を一緒に考えてみましょう。

 まず一つ目の考え方は、「have to」 の関係にある仕事や相手との関係を直ちに断ち切ってしまう事。

 極端な例を言えば、直ちに退職して転職。友人関係をスッパリ断ち切ってしまう。恋人であれば別れてしまう。そして、あなたが心の底から「want to」と思う世界に移ってしまう。

 二つ目の考え方は、「have to」 の関係にある仕事や相手との関係を一旦リセットし、「want to」 の関係に変えてしまう。

 例えば、一度「あなたとのこれまでの関係に建前があったこと等、あなたの本音を一切打ち明け、それからその関係性をリセットしてスタートさせたい。」 というような事をお互いに話し合うとか。

 そして、三つ目の考え方は、『時間は未来から現在、そして過去へと流れて行く』 という物事(時間)を論理的に考える思考をあなたの”脳(無意識)”の中に取り入れる事。

 例えば過去Aさんとはとても仲良しの関係だった。でも「言葉の綾」で仲良しだったAさんとは現在は不仲の関係である。しかし、未来Aさんとはまた何等かのきっかけで仲良しの関係になっている。というように、常に論理的に割り切って考えて、過去に関係があったAさんと、現在のAさん、そして未来のAさんとは同一人物でありながら、まったく別の人と認識する。何故、自分はAさんと仲良しになりたいのだろうか?やっぱりAさんと仲良しになりたい(want to)などと色々思考してみる。そこで、未来のAさんとの関係が仲良しの関係であればそれで良し。とにかく、取り返しの付かない過去に囚われて、クヨクヨ思い悩むような無駄な時間を費やさない。

 よくありがちな方法、「何もしないで時間が解決してくれるのを待つ」 や 「ただひたすら謝る」 は解決方法としては、論外です。なぜなら、この方法ではあなたの”脳(無意識)” が変わっていないのだから、またいつか同じ
「言葉の綾‥‥本音」が出てしまい兼ねません。

 どうでしょう、あなたはどの方法で「言葉の綾」が原因で生じた大切な人や仕事との関係を修復しますか?

 三つの考え方を書きましたが、その複数を絡めて修復に努めてもかまいませんし、それ以外にもっといい方法がありますか?

 いづれにしても、重要なのはあなたが大切だと思う仕事や人に対して常にいいイメージ』を描いておく、あるいは『大切な人の笑顔を常に思いイメージする』ことです。

 そうすれば、悪い事が起きたとしても、あなたの”脳(無意識)”がスコトーマ(心理的盲点)に隠して見えなくしてしまうかもしれません。

 どの方法を選ぶかはあなたの自由です。


 今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。